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~女ひとりでインド・ネパール旅~

ダウラターバードは美しい砦、子どもの頃の小さな思い出(アウランガーバード→ムンバイ)

2018/01/11 アウランガーバード(Aurangabad)→ムンバイ(Mumbai)
 
朝、チェックインを済ます。
 
この町を去るのは夜だから、フロントで荷物を預かってもらおうと思っていた。
だけどそれはダメみたいで、半額の250ルピー(450円)で夜まで部屋を使っていいと言われる。
いや~、普通はフロントで預かってもらえるよね?
だけど、どうしてもダメみたいだから、諦めて部屋を半日分延長する。
観光を終えた後に休めるのだから、その方が良かったのかも。
 
いつもの様にバスターミナルを目指し、そしていつもの様にバスに乗る。
 
だけど今日はとても混んでいて、立ち乗りになってしまった。
大きく揺れるバス車内での立ち乗りは、とても厳しい。
 
すると、お婆さんが「ここに座りなさい」という仕草で、彼女の席を4分の1ほど空けてくれた。
私はお尻の半分を、その席に乗せる。
なんて優しいんだろう。助け合いの精神、インド社会。
 
目的地に着いた頃、乗客の一人が「ここだよ」と教えてくれた。
 
このバスは「エローラ行き」。
観光客ならエローラに行くと推測ができるのに、私が途中で降りたいという事を何で知っているんだろう。
さっき切符売りの乗務員に行先を告げたのを、聞いていたのかな。
とにかく、インド人はいつだって私をサポートしてくれる。
 
 
■ダウラターバード(Daulatabad)
 

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エローラやアジャンターより有名ではないけれど、とても美しい砦という事だ。
 
あの山頂を目指して、階段を上ってゆく。
最近運動不足でたるんだ身体を引き締めようと思ったのがメインの動機だったりする。
 
入り口が、もう既にカッコいい。
「砦!」って感じだ。
 

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山の麓まで、のんびりと歩く。
 

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ここからは階段。さて、気合を入れて頑張ろう。
 

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身体を引き締めるのが目的...と思っていたのだけど、デカン高原の風景がとても美しい。
 

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そして、「砦」もとても素晴らしい。
「廃墟のお城に来たぞ!」という旅心がくすぐられる。
 

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上り始めて間もなく、遠足の学生たちに遭遇する。
 
学生たちは、私と写真を撮りたがる。
昨日よりも遥かに多くの子どもたちに囲まれる。
もう、気分はまるで「大女優」。
それも「ハリウッド女優」並みの大歓迎。
本当に...大袈裟なんかじゃなくて。
 
たぶん30枚以上は撮ったんじゃないかな。
同じ子と、場所やメンバーを変えて何枚も撮る。
 
先生が来た。「先生も撮りなよ」と生徒が促すのだけど、先生は苦笑い。
 
あまりにも大混雑してしまったところで、先生が止めに入る。
生徒たちは、渋々と散ってゆく。
 
その後も、生徒たちと付かず離れずの距離を保ちつつ、たまに写真を撮りつつ、のんびりと山頂を目指す。
そして、ついには先生とも写真を撮る。
 
砦の山頂に着いた。
いや、もう少し先まで道は続くのだけど、とりあえずのゴール。
 

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ここから見えるデカン高原...なんて広大なんだろう。
 

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...な~んて静かに感慨深くなっている時間を、彼女たちは私に与えてはくれない。
先に到着して休んでいた彼女たち、私との写真撮影会に拍車がかかる。
 
まずは彼女たち自身のスマートフォンで。
2ショット写真が撮りたいのに、一緒に写ろうと他の子が入ってくると、付き飛ばして私を独占しようとする。
「こっちを見て!」「こっちを見て!」
「こっちへ来て!」「こっちへ来て!」
みんな言っている事がバラバラ。私はどれを見てどっちへ行けばいいのか。
 
そして私の持っているミラーレス一眼でも撮る。
私のカメラの奪い合いが始まってしまったから、落とされやしないかと冷や冷や。
申し訳ないけど、一人の子の首にストラップを掛けさせてもらう。
 
たぶん、トータル100枚以上は撮ったんじゃないかな。本当に。
 
先生が、「ここから〇〇km先の村に学校があるから、来てください」と言ってくださった。
それはとても行きたい!だけど、私は今日この土地を離れなければならない。残念。
 
そして彼女たちを見送って、ひとり静かに物思いにでもふけようと窓辺に座る。
 

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すると今度は、青年たちが群がって来た。
成人男性に、子供たちに対するそれと同じ様に振舞う気のない冷たい私は、数枚だけ撮ってそそくさと退散する。
 
あぁ、とてもカッコいい古城なのに、あまり浸れなかったな。
だけど何故か、楽しい気持ちになれた。
 
「子どもの頃に遠足で行ったお城で外国人に会った!」
 
その事が、小さな思い出として心のどこかに残るのだとしたら、とても素敵な事に関われたんじゃないかと思う。
 
しかし私如きとの出会いであんなに喜んでくれるなんて...身分不相応すぎて恐縮です。
 
 
麓に下りて、ローカルレストランに入る。
実は今朝このレストランでチャイを飲んだ時に「戻ってきたらランチはここで食べてね」と言われていたのだ。
その時は適当に「はいはい」と言っていたのだけど、やはり「はい」と言ってしまったのだから約束は守らねば。
 
「メニューある?」と聞くと、「あれがメニューだよ」と言われる。
 

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いやいや!笑
 
「写真オンリーなの?笑」と聞くと、「そうだよ」と言われる。
 
だけど別の店員がメニューを持ってきてくれたから、
「メニューあるんじゃん!笑」
と、ついつい日本語で突っ込みを入れてしまった。
 
結局メニュー表には何故か載っていなかった「ドーサ」を注文したのだけど。
ドーサとパイナップルジュースで65ルピー(117円)。
 

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そして帰りのバスを探す。
「あっちだよ」と言われ続けながら、ひたすら車道沿いを「あっち方向へ」歩く。
 
どうやらここらしいという所に着く。
するとリクシャーワーラーに声を掛けられる。
「バスに乗りたいから」と断ると、「バスと同料金だよ、20ルピー(36円)だよ」と言われたので乗る事にした。
乗合いだとしても、30分の道のりが20ルピーだなんて安い。
 
次の目的地のミニ・タージまで60ルピー(108円)で連れていってもらう事にした。
 
そして着いたよ、通称ミニ・タージ。
■正式名称:ビービー・カ・マクバラー(Bibi-ka-Maqbara)
 

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アグラにあるタージ・マハルをモデルに造られたもの。
だけどタージ・マハルの建設で国の財政が傾いていた為に、お金をかけられずこの規模になった。
 
本当に規模は「ミニ」で、ほとんど大理石なんて使われていない。
 
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裏の庭の方が美しいな、なんて思ってしまう。
 

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ここも、ディルラース・バーヌーという妃を偲んで、息子が建てたお墓。
規模はミニだけど...思いがこもっているんだろう。
タージ・マハルもそうだけど、亡くなった女性の為に莫大なお金を使うなんて、インド人の「愛」ってとても深いんだね。
 
 
そして夜22:40発のムンバイ行きのバスに乗るべく、駅前のバス会社に行く。
 
到着したバスに乗り込み、驚いた。
「シート」じゃなくて「布団」が敷いてある。
それに「枕」や「ブランケット」まである。
 
こんなに素晴らしいのか、「民間のデラックスバス」というものは。
 
乗務員に話しかけられたのだけど、上手くコミュニケーションが取れない。
すると彼が、英語の堪能な若い女性を連れてきてくれた。
 
 
彼女「どこで降りるの?」
 
私 「わかりません。多分、中心地?(笑)」
 
※降りる場所は、予約時にバス会社の人が「ここがベターだよ」と言って適当に決めた。
 
彼女「ムンバイでは、何が見たいの?どこへ行きたいの?彼が、あなたの降りたい場所を聞いている」
 
(スラムに行きたいのと、人に会う約束がある以外に見たいところなんてない...)
 
私 「CST駅付近...」
 
彼女「OK!その場所であなたを降ろす事が可能だわ!到着したら、彼があなたに声を掛けるからね!」
 
 
降りる場所は複数ヵ所から選べるんだけど、私だけ「好きな場所を指定」できるなんて。
何そのサービス。デラックスバスだから??
 
大都市「ムンバイ」。
よく考えたら、「ムンバイに行きたい」だなんて抽象的だ。
それって「東京に行きたい」と言うのと同じだよね。
「いやいや、東京のどこだよ。何が見たいの??」と思う乗務員の気持ちが今わかった。
どこで降ろしたらいいのか、疑問に想うよね。笑
 
そして不安だなムンバイ。
今までは田舎ばかりだったのに、私が「大都市」で旅なんてできるのだろうか。
今までみたいに、困ったときに助けてくれる「親切な人」はいるだろうか。
全く目途が立っていない「宿」は、大都市の中で無事に発見できるだろうか。
大都市の「移動」は、難しくはないだろうか。
 
 
ベッドの寝心地が最高に良い。
もしや安宿の固いベッドよりもよいのでは?と思うほどに。
 
しかし厚着をし過ぎてしまったみたいで、とても暑い。
いつも凍える夜を過ごしていたから、万全の体制で挑んでいたのだけど。
土地が変わって気候が変化したのか、それともこのAC付きバスの温度管理が素晴らしすぎるのか。
 
 
不安な気持ちを抱えながら、だけど快適な気分で眠りにつく。