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~女ひとりでインド・ネパール旅~

【世界遺産】アジャンター石窟群 ~忘れ去られていた1000年間~

2018/01/10 アウランガーバード(Aurangabad)⇔アジャンター(Ajanta) India
 
今日は、アウランガーバードからローカルバスで3時間ほど北にある「アジャンター石窟群」を目指す。
 
エローラ石窟群に行った時と同じく、バススタンドに行ってみる。
今回はカウンターでは尋ねずに、直接その辺の人に聞いてバスを見つける。
 
早朝7:00。
もう外は明るいのだけど、塞ぐことができないバスの隙間からの風がとても冷たい。
あぁ、私はこのインドで「暑い」より「寒い」の印象の方が強い。
「インドは暑い国」と思っている人の方が多いと思うけど、全然違う。
 
3年前の2月にインドを訪れた時は、とても過ごしやすい気候だった。
だから今回も、乾季の冬の時期を狙って来たのだ。
朝晩がこんなに寒いなんて予想外だったけど。
 
バスの運賃は120ルピー(216円)。
エローラ行きは1時間の乗車で40ルピーだった。
3時間の乗車で120ルピーだなんて、明朗会計だ。
 
走り始めて2時間が経った頃、乗客の一人に「ここがアジャンターだよ」と教えられる。
3時間かかるんじゃなかったのか。
それに、彼に「アジャンターに行く」とは伝えていなかったんだけどな。
「観光客だからここが目的地だろう」と思って、親切に教えてくれたんだ。
 
降りたところは、久々にツーリスティックな場所。
土産物屋の客引きをさらりとかわして、シャトルバス乗り場を目指す。
 

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アジャンターは、ここからシャトルバスに乗って10分ほど行った先にあるのだ。
片道16ルピー(28円)。
 
ゲートで入場料の500ルピー(900円)を支払い、少し行くと階段が現れる。
 

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この階段を、5分ほど上る必要があるらしい。
 
それが辛い人は、人力の椅子に乗っていく事もできる。笑
 

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世界遺産 アジャンター石窟群
 

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ここには30窟の石窟がある。
時代は2つに分かれていて、紀元前1世紀頃の前期窟(上座部仏教期)と紀元5世紀の後期窟(大乗仏教期)。
 
紀元前1世紀って...。
日本は、縄文・弥生時代とかだよね。
あぁだけどヨーロッパでは、もう「ローマ帝国」なんかがあったのか。
 
私の頭ではとても想像できない様な遠い昔の文明が、ここにある。
 
そういえば、ここインドには「インダス文明」という世界4大文明の一つがあったんだっけか。
いや、インドはインドでも全然場所違うか。
もっと西の、パキスタンアフガニスタンの辺りだ。
 
あぁ、学生時代に歴史の勉強をもっと真面目にやっておけばよかったな。
 
ここでは、第1窟から順に巡る。
 
【第1窟】
 

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中はとても広く、「中央奥の部屋には大仏様がいる」というのは、エローラ石窟群と同じ。
 

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だけどここアジャンター石窟群を有名にしたのは、この大仏様ではない。
美しい「壁画」が、とても良い状態で保存されているからだ。
 

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天井にもびっしりと壁画が描かれている。
 

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【第2窟】
 
ここの壁画も、とてもはっきりと残されている。
 
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【第4窟】
 

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とても広い敷地なのだけど、壁画はなく殺風景。
 
断層が横切っていた為に作業が難航して、未完のまま終わってしまったらしい。
この広さ。もし完成していれば、とても壮大な寺院になっていたと考えられる。
 

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【第6窟】
 

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唯一の2階建て。
 
洞窟には、いくつもの小部屋がある。
この2畳ほどのスペースで、僧侶たちが暮らしていたのだ。
 

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暗い階段を、恐る恐る2階へ上がってみる。
 
2階も、1階と同じ仕組みで僧房と大仏様。
だけど2階の方が立派に見える。
 

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そしてここから見える、渓谷と石窟群の調和が美しい。
 

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【第9窟】
 
ここは紀元前1世紀の前期窟。
まだ仏像表現のない時代だったから、ストゥーパを信仰の核としていた。
 
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このストゥーパを大切に崇める、遠い昔の人々。
一体どんな思いで、これを掘ったんだろう。
 
 
【第16窟】
 
エレファントゲートを登っていくと、ここからも美しい景色を望むことができる。
 

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【第19窟】
 

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入り口の見た目は、とても派手。
だけどこれは後から付け加えられたもので、本来の姿ではないみたい。
 
ストゥーパと仏様が一体化している。
先ほどみたストゥーパの表現から、更に時代を重ねてこの様な姿へ変わっていったのだ。
 

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中の装飾も素晴らしい。
 

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【第24窟】
 
未完のまま放置されている。
この状態から、今まで見て来た様な姿へと形を変えるのだ。
なんだか凄い。
 

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【第26窟】
 

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アジャンターで、最後まで開窟作業が進められた場所。
 
先ほどの第19窟よりも更に立派なストゥーパと仏様。
 

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巨大な寝涅槃像もある。
 

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壁の装飾も、とても派手。
 

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これで「未完」だというのだから驚き。
十分素晴らしいのに、これに何を付け加えようと思うのだろうか。
 
 
そして第27窟以降は立ち入り禁止。
第28窟なんかは、崖の中にある。
 
アジャンター石窟群、未完の場所がいくつかあった。
当時は力を持っていた「ヴァーカータカ帝国」の崩壊に伴う戦乱の為なのだとか。
 
人々に放棄された石窟群はジャングルに飲み込まれてゆき、なんと1000年以上もの間忘れ去られていた。
1819年、マドラス(現チェンナイ)駐屯のイギリス人によって発見されるまで。
 
このイギリス人、ジョン・スミスは、虎狩をしていた時に偶然これを発見した。
ジャングルの中に静かに埋もれている石窟群を見た時、彼は一体どんな気持ちだったんだろう。
 
1000年以上の時を経て、浮かび上がったアジャンター石窟群。
人間の歴史って、とても壮大だ。
 
 
展望台へ行ってみようと思うのだけど、どうしようか迷う。
休憩なしに歩き続けていたから、とても疲れている。
 
だってここでは外国人がとても珍しいみたいで。
座って休憩などしようものなら、「一緒に写真撮って!」攻撃に合ってとても休憩どころではないから。
恐る恐る声を掛けて来た一人と撮ると、なし崩しに多くのインド人に囲まれる。
 
多くは、遠足で来ているのであろう学生さんたち。
彼女たちは集団で来ているからね...。
 
女の子は、私に一声かけてから一緒に撮る。
そして「ハッピージャーニー♪」と言って、握手を求めてくる。
私は、一人一人の目をしっかりと見て握手を返す。
集団に向かって「バイバイ♪」ではダメなのだ。
一人一人と向き合わないと、彼女たちは納得をしない。
 
しかし「ハッピージャーニー♪」って嬉しいな。
本当にハッピーな気持ちになる。
 
男の子たちは、勝手に写真を撮ってくる子が多い。
気が付けば、スマートフォンのセルフィーが私の方を向いている。
そして撮り終わったら、嬉しそうに走り去ってゆく。
まぁ、別にいいんだけどさ...まだ子どもだし。
 
私という外国人を見た時、そして一緒に写真を撮ったとき、少年少女たちはとても嬉しそうに黄色い歓声を上げる。
まるで芸能人でも発見したかの様な喜びよう。本当に、大げさではなくて。
あれ?私って、有名人だったっけ?と思わせられるほど大注目される。
いやいや、私はただのツーリスト。
日本ではこんな扱いなんてもちろんされないのだから、照れくさくて堪らない。
 
 
だけどせっかくだから展望台に行ってみよう。
階段を10分くらい(?)登り切ると、渓谷沿いの石窟群を真正面から見る事ができる。
入場禁止の、崖の中の石窟も見える。
 

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そして、ここから更に道が続いている。
500mほど歩けば、別の展望台に辿り着く様だ。
 

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500mか...。帰ろ。
 
いや、500mなんてすぐだよね。
こんな平坦な500mすら断念してしまう私。
ヒマラヤを24日間歩き続けたトレッカーの面影、一体いつの間に消えてしまったんだろう。
 
 
帰りのバスを探さなきゃ。
郊外の観光地は、行くのは簡単だけど戻るのは難しい。
 
来た時にバスを降りた場所で聞いてみると、「メインロードに行け」と言われる。
だけど「あと2時間は来ないよ」とも言われる。
 
え?行きのバスは1時毎にあるのに?
 
とりあえず、メインロードの方に行ってみる。
 
するとリクシャーワーラーに声を掛けられる。
「バス乗り場はここから2.5km先だから、リクシャーに乗るべきだよ」と言われる。
たった2.5kmなのに、60ルピー(108円)も払ってそれに乗ることになった。
 
リクシャーを降りると、正面からバスが来るのが見えた。
リクシャーワーラーが「あれがアウランガーバード行きのバスだよ」と教えてくれる。
なんと、ものの数十秒でスムーズに乗り換える事ができた。
「2時間は来ないよ」って、誰か言ってなかったっけ??
 
行きは2時間だったバスは、2時間30分かけてアウランガーバードに戻って来た。
 
駅前まで戻り、バス会社で明日のムンバイ行きのバスを予約する。
22:40の出発で、750ルピー(1350円)。
多分、バスターミナルで州営バスを予約した方が遥かに安いんだけど。
明日の夜にバスターミナルまで行くのも面倒だし、民間バスの方が快適だしとここに決める。
「この場所から乗れる?」と聞くと、「ここから乗りたいの?」と聞かれた。
「ここから乗りたい」と言ったら、そう取り計らってくれた。
 
明日はついにムンバイへ移動する。
ムンバイか...。