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ヒマラヤトレッキング13日目 一人になった私は強い(ディンボチェ→ロブチェ)

2017/10/16  ディンボチェ(Dingboche)4410m→ロブチェ(Lobuche)4910m
 
朝8:00
ディンボチェの町を出発。
もう少し早く出発したかったのだけど、一人旅に向けて荷物の見直しをしていたら遅くなってしまった。
この町に、「コンディショナー」と「さらさらパウダーシート」を置いて行く事にした。
そして、サブバッグの使用をやめてメインバッグに集約してみた。
 
ディンボチェの背後の丘を登り切ると、山の奥へ続く道と、荒涼とした大地へ下ってゆく道に分かれる。
ロブチェへの道は、どうやら後者だという事がわかった。
うん、こっちの方が魅力を感じていたのでよかった。
 
荷物は、、、やはり重い。
 
ここまで、荷物は軽かったのに心はとても重たかった。
毎日毎日、ネガティブな事ばかり考えていた。
耐え切れずに、部屋で一人泣いてしまった夜もあった。
 
こんなに美しい景色に囲まれて私は、己の「醜さ」「愚かさ」「弱さ」を感じるばかりで。
 
一方、身体の負担はほぼ感じない快適トレッキングだった。
 
だからこのトレッキングを終えても、
「あ~楽しかった」「景色が綺麗だったな~」程度の感想しか抱かないんじゃないかという不安もあった。
 
だけど、ようやく強い自分を取り戻すことができた気がする。
 
荷物は重いけれど、一歩一歩を力強く歩く。
しっかりと前を見据えて歩く。
 
本来、私の「精神力」は強いんだ。
「心」は軟弱なんだけど。
 
なんでだろう。一人になった瞬間に急に戻ってきた私の「精神力」。
 
そしてこのトレッキングを乗り越えて、もっともっと強い人間になりたい。
 
だだっ広い大地を、どこまでも歩く。
 

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牛(とヤクのミックス)たちが、わずかな草を求めてのそのそと歩いている。
 

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霜の間を、ちょろちょろと水が流れている。
 

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壮大な大地を歩いていると、なんだか泣きそうになる。
もちろん悲しくてではなくて...武者震いみたいなものかな。(違うか)
 

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この大地を歩き切った先に、「トゥクラ」の町が見えてきた。
どうやらあの川(?)を渡るらしい。
 
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ペースは遅いかもしれないけれど、初日は山中を一人彷徨っていた事を思えば、なんと順調な事か。
 
歩き始めて3時間後の11:00、トゥクラに到着。
 

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のんきにランチ休憩なんかしてみたり。
 
ランチ休憩中、欧米人の団体(15人くらい)に囲まれる。
そこで私は不安になった。
こんな団体が、他にいくつもあるんだ。
ロブチェに宿は7件しかないみたいだけど、大丈夫かな。
 
注文をしてから1時間経っても出てこないから、催促してみた。
そうしたら、「あと5分でできる」と。
 
宿を出るのも遅れたし、のんきにランチ休憩なんてするんじゃなかった...。
 
「ごめんね、あと2分でできるよ」と、ネパール人が隣に座って話しかけてきた。
「ロブチェの宿を予約していないんだけど、大丈夫かな」と相談してみたら、「大丈夫!」と。
本当かな~。。。
 
私は、これの為に1時間も待ったのか...笑
 

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会計をしてくれた女性は、日本語が堪能だった。
だからまた聞いてみた。「ロブチェの宿を~(以下同文)」。
そうしたら、「〇〇って宿に行けば泊まれるわ!彼と一緒に行きなさい!」と男を紹介される。
 
彼の名前はロビン。
 
ここでランチ休憩取ってよかった!(←さっきと言ってる事違う...)
 
だけど私は超スローペース。
その事を伝えるも、心配しないでと言ってくれるのだけど。
いやいや、気にするよね。
 
ここトゥクラからは急な登りになる。
最初はロビンに迷惑をかけまいと頑張ってみたのだけど、激しい動悸を感じたのでやめた。
申し訳ないけれど、マイペースに歩かせてもらう。
 
ロビンは、私のペースに合わせて寄り添う事はせず、少し先まで行って休憩しながら待っていてくれる。
その距離感がとても心地よい。
そして、「大丈夫大丈夫、ゆっくりでいいよ」と励ましてくれる。
 
丘を登り切ると、たくさんのチョルテンが立ち並んでいる。
全て、エベレスト登山中に亡くなったシェルパのお墓だそうだ。
シェルパはポーターやガイドとして雇われる事が多い分、危険も多い。
 

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この丘の先は、歩きやすい緩やかな道。
 
「異星感」が強い。
まるで別の惑星に迷い込んでしまったかのような。
 

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宿を出て7時間15分後の15:15、ロブチェの町に到着。 
 
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ここまで、重い荷物を背負って一人で来れた。
うん。やればできる。
 
しばらくロビンを探してみるんだけど、見当たらない。
どうしようかな。
 
迷ったけど、この場は「ロビンへの情」を通すより「自分の身の安全の確保」の方が優先だ。
 
ごめんねロビン...と思いながら、1件目の宿に当たるも満室。
2件目も...満室。
 
2件目に断られた直後、ロビンが現れた。
「ok?」と聞かれたから「ダメだったよ~」と答える。
すると、「問題ないよ!彼女とルームシェアすればいいよ」とドイツ人女性を紹介される。
 
どうやらロビンは彼女のガイドだったみたい。
 
凄く申し訳ないけど...ありがたいっ!
 
ロビンがいなければ、危うく野宿になるところだったかも。
 
彼女は、せっかく自分のプライベートルームを確保できていたにも関わらず、私を快く受け入れてくれた。
 
ここロブチェの標高は4910mとにかく寒すぎる。
特に何をするでもなく、暖かいダイニングで過ごす。
 
食事時、隣のテーブルの人がステーキの様なものを食べていた。
ネパールで食べた肉といえば、料理に少し混ざっている鶏肉と水牛だけ。
いいな~。肉...。
あ~、日本生まれのとびきり美味しい牛さんが食べたいな。
 
一方、目の前のカナダ人親子はチョウメン(ネパール版の焼きそば)を食べていた。
パスタを食べるときの様に、スプーンとフォークを使ってクルクル巻いて食べていた。
何だかおかしいな。笑 日本で焼きそばを頼んで、箸しか出てこなかったらどうするんだろう。
 
ダイニングは、トレッカーたちで賑わっている。
そこで突如、男性がギターを弾きながら唄い出す。
ギター一本で音楽会が開催された。
もちろん彼はプロではなくて、トレッカーの一人。
ギター担いで登ってきたのかな...。歌声よりそっちの方が気になるよ。
 
寒い寒いロブチェの夜。
フリースにダウンジャケットを着込んで、寝袋の上にさらに毛布を掛けて就寝。