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ヒマラヤトレッキング3日目 出会いと別れと私のパーティー(バンダル→セテ)

2017/10/6  バンダル(Bhandar)2190m→セテ(Sete)2575m
 
朝6:40
眩しい朝日に向かって、私とディネスは出発をした。
 

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いつも、出るのが遅かったよね。
早朝の出発は、こんなにも清々しい。眩しいけど。
 
主要な道から、小道へ入る。
いくつもの分かれ道を、ただただディネスに付いていく。
 

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「これはネパリウェイだよ」と言われたので、もしかしたら正規ルートではないのかもしれない。
あぁ、朝の陽の光に照らされたネパリウェイが美しすぎる。
 

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そして、こんな風に景色を美しいと感じながらのトレッキングが最高すぎる。
 
あれが、シェルパの家だよと指さすディネス。
 

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シェルパはヒマラヤに住んでいる民族で、かつてチベット(中国領)からヒマラヤ山脈を越えてはるばるやってきた人たち。
重い荷物を軽々担いでサンダルで歩くポーターたちも、ほとんどはシェルパだ。
 
そういえば、ディネスは昨日はサンダルだったのに今日はしっかりとシューズを履いている。
 
他にも様々な宗教の人々がネパールで暮らしているけれど、みな共存して生きているのだという。
 
途中で、茂みの中からマッシュルームをもぎ取る。
歩きながら、よく見つけるものだね...。
 

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ネパリウェイを歩き始めてまもなく、一匹の黒い犬が後を付いてきているのに気づく。
犬は私を追い越し、ディネスと私の間を歩く。
 
しばらく歩いては立ち止まって私の方を振り向く。
私の姿を確認して、また歩き出す。
 
まるで、道案内をしてくれているかのよう。
 
昨日までは独りぼっちで異国の山の中を彷徨っていた私に、旅の道中で次々と仲間ができていく。
まるで、何かのRPGの様だな。
 
〔犬が仲間に加わった!〕
 

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あぁしかし、ディネス・犬・私の順で歩いている。
私は、このパーティーの最後尾。
これは私の物語のはずなのに、主人公にはなれないなんて。
 
トホホ...。
 
と1人で妄想なんかしていたら、犬が順番を変わってくれた。テレパシー!?
 
犬が私の後を付いてくる。
だけど私のペースが落ちてくると、待ちきれずに抜かしてゆく。
私が追いつくと、また譲ってくれる。
 
そんな、犬と私の下剋上ごっこを楽しみながら歩いていると、次の町キンジャが見えてきた。
 
ヒマラヤの谷間にある、川沿いの美しい街。
 

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橋を渡る途中でふと後ろを振り返ると、犬がいなくなっていた!
 
ディネスに、「犬は橋を渡れないよ」と言われる。
 
〔犬が仲間から離脱した!〕
 
なんという悲しいお別れか。
出会いがあれば別れもある、旅の縮図みたいなものを体験したような。
 
再びディネスと2人きりになった私は、出発から約3時間半後の10:20にキンジャに到着した。
 
午前中に次の町に着くなんて、昨日までの私には考えられない。
この調子だと、今日は初めて目標の町まで行けそうだ。
 
いつもダルバートとモモばかりなので、フライドライスを頼んでみた。
う~ん、普通。笑
 

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標高1630mのキンジャ。 この町はとても暑い。
 

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そして、10:40に再び歩き出す。
ここからは、標高3530mの峠越え。
途中の町セテで宿泊し、山頂は翌朝に越える予定。
 
とにかく、ひたすら石段を登る。
 
ディネスが、私を先頭にしてくれる。
 
パーティー配置換え
〔クミが主人公になった!〕
 
登る登る、とにかく登る。
途中の民家の前で休憩中、ディネスがカットフルーツを貰ってきてくれた。
 
一旦は受け取ったんだけど...私は、生ものは自分でカットしたものしか食べないと決めている。
申し訳ないと思いつつ、一口かじって返してしまった。
おまけにミネラルウオーターで口をすすぐという失礼な態度。
 
本当は、こういう地元のものも食べてこそ真の旅人なのかもしれない。
テレビの中には、アフリカの謎の食べ物や生血を飲む旅人なんかも沢山いる。
 
だけど、こんな山奥でお腹を壊すわけにはいかない。
自分の健康は、自分で守らなければ。
 
真の旅人までの道のりは遠いぜ。。。
 
道中可愛い動物たちに癒されながら、かなり厳しい道のりに耐える。
 

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ディネスによると、ジリからルクラまでの道のりでこの峠越えが一番厳しいらしい。
ここを超えてしまえば、あとはルクラまでイージーだよとの事。
 
よし!頑張ろう!
 
セテまで約3時間の登り、半分の1時間半地点で休憩。
ディネスは、ここの家の人との会話に花が咲いている。
私はそれをぼーっと聞きながら、風景を眺めている。
 
するとディネスが、中のベッドで30分ほど仮眠してきなよと勧める。
 
どうしようかな。。。
ここでぼーっとしてるだけでもいいんだけど。
 
適度な仮眠は脳によい影響を与えるとも言われているし、逆に寝起きのハードな運動は体に負担がかかりそう。
スポーツといえばウィンタースポーツと学校の体育しかやった事のない私にはわからない。
 
だけど、お言葉に甘えてしばし横になる事にした。
 
とは言っても爆睡はしない。
目をつむって、意識を遠くに追いやって身体と脳を休める。
時々、浅い夢を見る。うつらうつらと数十分。
 
そして起き上がったときには、気分爽快。
 
先ほどまで辛く感じていた山道を、スタスタと登る。
ディネスも「フレッシュだね!」と驚いている。
 
山間にある家々が絵になるな~。
 

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そして約1時間30分。本日の目的地セテに到着!
あぁ、こんなに予定通りに事が進むなんて。
それに道のりは今までで一番ハードだったけど、今までで一番楽しかった。
ディネスのおかげ!
 

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ここのゲストハウスは、昨日よりもローカル感が強い。
暗闇のダイニングの中で、家族がくつろいでいる。
 
私は、初めは馴染めなかった。
 
お茶やイモなど、いろいろ勧められたけど断る。
ここで夕食を食べるのか...。
 
夕食はどうするかと聞かれたので、「ちょっと考えます」と伝える。
本当に、ちょっと考えたい。
 
「部屋で休んできます」と言い残し、部屋で荷物を整理。
そしてすぐバケツシャワーを借りに降りる。
 
バケツシャワーは2回目。
蜘蛛の巣やほこりが目に付く掘立小屋で。
(昨日みたいにトイレで浴びるよりはいいか)
 
だけど2回目にして慣れて来たのか、バケツシャワーの快適さに気づいてくる。
もちろん、日本で浴びるシャワーのクオリティは最高。
だけどカトマンズで浴びるシャワーは、ホットといいつつヌルかったり水圧が弱かったりする。
それに比べて、アツアツのお湯を自分の好きな量だけ頭から浴びられるバケツシャワー。
意外に好きかも...バケツシャワー。
 
私がシャワーを希望したらすぐにお湯を作ってくれたおじいさん。
好奇の目でこちらを見てくる子供たち。
一生懸命話しかけてくるお兄さん。
 
来たばかりの時は馴染めなくて身構えてしまったけれど、ここはローカルの温かい空間。
 
トレッキング1日目は、古めのゲストハウスだなと思った。
トレッキング2日目は、ゲストハウスというよりは山小屋かと思った。
トレッキング3日目は、これはホームステイだなと思った。
 
私、ヒマラヤの山奥でホームステイをしているんだ!
と思ったら、これは楽しいことなんじゃないかと思えてくる。
 
そう思うと、夕食も頂く気持ちになれる。
標高が高いからか、物価が上がっている。
モモが安いので、モモを頼んだ。(←ワンパターン!)
 
あとはネパリティ。(ネパールティー/ネパール版チャイの事)
 
すると、もう一組の宿泊者のオランダ人親子が「ネパリティって何!?」と食いつく。
俺も俺もと、2人とも私に続いて注文をした。
でも、独特の味だからなー。口に合わなかったら責任を感じるよ。
 
夕食は19:00に食べることにした。
 
 
部屋に戻ると、なんとアダプターや充電器類を入れたポーチがない事に気づく。
散々さがしたけど見当たらない。心当たりと言えば、昨日のバンダルの宿か。
 
ディネスに助けを求めると、バンダルの友人に連絡を取ってくれた。
友人がゲストハウスに行って聞いてくると、なんと「ある」との事!
 
よかった~。
 
カトマンズまで送るよと言われたのだけど、あのポーチにはカメラのバッテリー(予備)も入っている。
この先充電ができなくなることを見越して、多めに用意しておいたものだ。
ヒマラヤトレッキングの為に用意したのに、それを置いて進みたくはない。
 
明日取りに戻りたいと伝えてみると、なんとディネスが一人で行ってきてくれるとの事。
申し訳なさすぎるけど、大変ありがたい。
 
ディネス、最高の仲間だ。
 
 
19:00に夕食を食べに降りる。
暗闇の中を、iPhoneのライトで照らしながら進む。
 
すると、オランダ人親子も同じ時間に夕食だった。
私に合わせてくれたのかな?なんて、己惚れてみる。
 
3人で食卓を囲む。
オランダ人親子(特に父親)が、いろいろ話しかけてくれる。
彼らの英語は、とても聞き取りやすい。
英語力は中学校1年生(1学期)レベルの私が言うのも生意気なのだけど、ネパール人の英語は結構訛っている気がする。
 
それでも、私は質問に答えたりリアクションを取るので精一杯。
私から話題を振ったりなどは、あまりできない。(少しは頑張ったけど)
だけど「カトマンズからジリへのバスはめちゃくちゃ揺れたよね」なんて言って盛り上がった時、
あぁ、私は外国人と英語で談笑できるくらいには成長したのかと嬉しくなる。
 
それにしても、親子でヒマラヤトレッキングなんて素敵な事だよね。
しかも仲良さそうで微笑ましい。
「オランダにはチューリップがあるね」なんて、中学社会で習ったような事を言ってみると、
「美しい青年もいるよ」と息子を指さすお父さん。
うん。最初に出会った時から思っていたけど、かなりのイケメン。
しかしお父さんも中々素敵な人ですよ!
 
そんなイケメン親子に別れを告げ、部屋に戻る。
 
標高2575mのセテの夜は、とても寒い。
ヒートテックやフリースを着込み、さらに寝袋に入って暖を取る。
 
明日は峠を越えて下った町に泊まる予定だったのに、私の忘れ物のせいでなんと頂上付近で泊まる事になってしまった。
どれだけ寒く、どれだけ空気が薄いのだろうか。
そこは富士山の本7合目付近と同じくらいの標高。私が一度高山病にかかり、それ以上進めなくなった地点。
油断は禁物。明日はゆっくりゆっくり、呼吸を大切に登っていこう。