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そして下山。富士登山完遂!<8合5尺→麓>

私の体調不良にようやく気づいた相棒が荷物を持ってくれる事になったので、
なんとか休み休み下山を決行する事ができた。
 
そして、富士山7合目までたどり着いた頃には、すっかり体調もよくなって来た。
 
ここまでくると、気温の低さよりも太陽の日差しの方が気になってくる。
預けていた荷物を受け取り、着ていたダウンを脱ぐ。
 
そして、ここからは登山道と交わることもなく、
下山道のふかふかの砂の上を小走りで駆け下りる。
 
(砂払い5合目まで山小屋がないので注意!)
 
...とは言っても、斜面を走り降りるなんて怖いし、砂には石や岩も混ざっている。
ものすごいスピードで駆け下りていく人もたまにいるけど、「ちょっと早歩き」程度に留める。
 
まぁ、転んでもさほど痛くはないけどね。
 
すると今度は、高山には強いけど日差しに弱い相棒が体調不良を訴える。
 
私はとっくに元気だから、病人交代。
 
水を与えつつ、帽子を深くかぶらせて休憩を取りつつ、なんとか砂払い5合目まで到着!
 
ここまで来れば、あとは森林帯の中を下るだけなので涼しくて快適。
 
もうほぼゴールした気分で休憩。
私は冷たいコーラを飲み、相棒はパンを食べる。
 
人懐っこい犬がじゃれてくる。
 
山頂は、もう見えない。
 
ここからは見えないくらい遠い、雲の上の世界に行ってきたんだなぁ。
 
そして、森林帯の中を歩く。
途中で登山道と合流し、登山者とすれ違う。
 
メイクばっちりの女性。
 
ここから先は、メイクなんて気にしてられない世界になるよ!
...と心の中でつぶやく。
 
とにかく無事に楽しんできてね。
 
とりあえず、私たちの旅路はここで終わり。
 
5合目に付くと、丁度バスの時間だったのですぐに乗り込む。
 
バスに乗って30分程でたどり着いた下界は、びっくりする程の猛暑だった。
さっきまでダウンを来ていたのが信じられない。
 
急いで服を脱ぎ捨て、Tシャツ一枚になる。
 
砂の中を通って来たから、顔も砂だらけ、髪はパサパサ。
 
とりあえず、お疲れさま!私たち!
 

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下山時も油断大敵!富士山の山肌にお供え物...。<富士山山頂→8合5尺>

富士山を下山。
ここからは、砂煙が舞うルート。
煙を吸わない様にマスクを付け、靴に砂が入らないようにスパッツを付ける。
 
なんだか、マスクを付けた事によって苦しさが増した様だ。
早く降りなくちゃ。
 
下山を開始すると、8合5尺の山小屋まであと少しというところで、
苦しさに耐えきれなくなる。
 
高山病には最新の注意を払っていたけれど、
「無事に山頂にたどり着いたっ!」..という気持ちから油断をしていたかもしれない。
 
しまった。
酸素が足りません。。
 
立ち止まって、ぼぉーっと少し下の山小屋を見つめる。
もう少し歩けば山小屋。
だけど、その少しが歩けない。
 
思わずしゃがみこんだ。
 
すると、通りすがりの男性が声をかけてきた。
「大丈夫ですか?」
「荷物、代わりに持ちましょうか?」
 
優しい....
だけど、こんなところで人様に迷惑をかけるわけにはいかない。
 
「大丈夫です...」
と声を絞り出して答え、立ち上がって歩き出す。
 
だけど、その無理がたたった。
ほんの数歩で倒れこむようにしゃがみ、そして...。
 
朝食べた朝食と、先ほど山頂で食べた豚汁。
不本意ながらも、全て富士山にお供えをする羽目になった。

すると、先ほど心配して声をかけてくれた男性が、
未開封のお水1本と、まだたっぷりと入っているウェットティッシュを恵んでくださった。
 
あぁ、神様の様な男性。
 
それに引き換え、私の相棒は何をしていたかというと、
下から見上げてニヤニヤしていただけ。
(さっさと私を置いて次の山小屋に到着していた)
 
ようやく異変に気づいて登ってきてくれて、助けてくれた男性にお礼をいう。
 
そして、私を気遣う前に何をしたかというと、、、
 
!!!!!!
 
私のお供え物の写真を撮っているではないか!
 
あぁ、見ず知らずの男性はあんなに親切にしてくださったというのに。
 
そして、通りかかる人たちがざわざわとしているのが遠目に聞こえる。
 
「あの子大丈夫!?めっちゃ吐いてるんだけど!!」
 
もう苦しすぎて、周りの目なんか気にならないけどね。
 
最終的には優しい私の相棒は、そこから私の荷物を持ってくれる事になったとさ。
 
 
 
 

日本一高い山、「富士山」の山頂にて。

ようやくたどり着いた、富士山山頂。
 
そこは、不思議な世界だった。
 
日本一高い山、富士山。
さぞかし神秘的で、幻想的なせかいなんだろう。
そこから見える景色は、その達成感とも相まって、息を飲むほど美しいんだろう。

 

そんな風に思っていたのだけれど。
 
鳥居をくぐって目に入ったのは、お土産屋さんのワゴンの数々。
「ここでしか買えないよ~♪」と、呼び込みのお兄さん。
 
食堂では、人々が賑やかに食事を楽しんでいる。
 
須走ルートでは決して見る事のなかった観光色。
 
力尽きて横になっている人々をみると、
あぁ、そうは言ってもここは富士山山頂なんだなと、実感できる。
 
そんな少し不思議な、異色の世界。
 
私はというと、達成感を感じたのは鳥居をくぐった瞬間だけ。
 
あとはもう、疲労と息苦しさで、早く下山したい気持ちばかり顔を見せる。
 
一応、温かい食事など取ってみたりしたけどね。
 
本当は、日本一高い山富士山の、さらに最高峰「剣ヶ峰」に行きたかったんだけど。
火口付近まで歩いて行ったところで、急に具合が悪くなる。
 

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富士山の火口をぐるりと一周するお鉢巡りは、1時間半~2時間ほど。
吉田ルート、須走ルートの終点から剣ヶ峰までは、ちょうど1周の半分くらいの距離。
しかも剣ヶ峰の直前には、馬の背といわれる急斜面がある。
 
これは、1周まわっている途中で耐え切れなくなったらどうしようもないな。
富士山の火口は見れたしな。
 
...という事で、あっさり下山を決意。
 
到着時の達成感はあるけど、やっぱりご来光の感動が一番のピークだったかな。
毎年、本7合目まで行ってご来光を見て帰るというプランもいいかもしれない。
 
なーんて。
 
 
 
 

いよいよ富士山山頂へ向かうとき<須走ルート:本7合目→頂上>

朝6:00。
本7合目から、先の道を眺める。
 

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前回はここから上には行けなかった。
大げさではなく、命の危険を感じたから。
これ以上先に進むことに、身体が赤信号を出した。
 
この先は、未知の世界。
 
あの時はあんなに危険に見えたこの道が、
なんでもない様に見えるから不思議。
 
岩だらけの世界。
 
雲が白い。
空が青い。
 
次の山小屋も、その次の山小屋も見える。
山頂も見える。
道の線も見える。
 

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6:30。
8合目、下江戸屋に到着。
 
一息ついたら、また次を目指す。
 

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次の山小屋がすぐそこに見えるけれど、
標高が高すぎて、一歩一歩どころか半歩半歩ゆっくり進むのが精一杯。
 
 
7:00。
本8合目。
ここから吉田ルートと合流。
山小屋が複数ある。
 
風が強い。
 
次のお客さんが来る前に、
毎日こうやって屋根に布団を干しているんだね。
 

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7:35。
8号5尺、御来光館に到着。
 
もう、朝出発した山小屋は見えない。

雲が厚い。
 
植物は一切育たない環境。
赤茶けた世界。
 

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あと少しなのか、まだまだなのか。

 

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この標高に対して、この距離表示は無意味。

 

一歩の重さが、下界とはまるで違うから。

 

広がる雲が美しいけれど、
雲が一切ない景色はどんな感じなんだろう。
 

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もうそろそろかと思う頃、鳥居にたどり着く。
 

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だけどこれはトラップで、まだまだ先はあんなに長い。
 

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吉田ルートと合流しているから、登山者数は増えているはずなんだけど。
 
人々は意外にもまばら。
 
あちこちで、ダウンして座り込んでいる人がいる。
 
行き倒れているのか、寝ているのか。
所々で人が横たわっている。
 
その脇を通り抜け、亀の様にのろのろと進む。
 
あと少しなんだと思う。
そう思いたい。

 

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ようやく!
ここを抜けるとゴール!
 
だけどテンションを上げる元気はない。
 
気持ちとは裏腹に、のろのろと鳥居を抜ける。
 

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9:25。
富士山山頂、到着っ!!!

 

 

富士山ご来光<須走ルート:本7合目>

朝4:40。
既にほんのり紅く色付く空を、静かに人々が見守る。
 

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眼下には雲が広がっていて、前日にあった上方の雲は晴れていた。
 
朝5:00。
 
真っすぐと広がる雲海の真ん中に、ポツリともっこりした雲が浮かんでいる。
 

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丁度そこの雲のある場所が、明るく光りだす。

 

え...!

雲の淵が黄金に輝きだす。

 

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...と思っていたら、ちょっと外れて横から覗きだす火の玉。
 

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静かに見守っていた人々からも、歓声の声が漏れる。

おぉ~!!
 

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陽の光に照らされて、雲の形が鮮明に見えてくる。
ただただ真っすぐな雲海だと思っていたけれど、ちゃんと表情があったんだ。
 
 
紅い世界から、完全に朝になった頃、人々は山小屋へと帰って行った。
 
だけど何人かは、明るくなった世界に見とれ続けている。
 
きっと車やロープウェイで簡単にこの景色をみる事ができたら、
また感想は違うんだと思う。
 
辛い思いをしながらここまで来て、
高山の辛い夜を過ごしてようやくきた朝だからこそ、
 
昨年の無念を抱えて、1年越しに見る事ができた景色だからこそ、
 
感じる気持ちがあるんだろうな。
 
そして、これから何度同じルートで富士山に登ったとしても、
この景色は二度とみれないんだ。
 
当たり前だけど。
 
自然は、一度見たら二度と同じ顔を見せない。
 
だからこそ、辛い思いをしながらも、何度も来てしまう人がいるのかもしれない。
 

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景色に見とれていたら、いつの間にか朝食が最後になってしまった。
 
もう早々と出発してしまった人が沢山いる。
 
よしっ!
朝食を食べたら、出発だっ!

 

 

 

見晴館で朝を待つ。<本7合目>

本7合目、見晴館。

ここは、標高3,200mの世界。
 
到着後すぐに、受付で会計を済ませる。
食事の前に本日の寝床に案内して頂く。
 
山小屋には部屋なんてない。
ベッドにずら~っと敷き詰められた布団で、みんなで雑魚寝。
布団は2人で1つ。
 
昔は、頭と足を互い違いにさせて、
無理やりギュウギュウに詰められていたみたいだけど、
今はどこの山小屋もそこまでの人数は受け付けていないみたい。
せいぜい2人で1つの布団をシェアするくらい。
 
隣が知らない人になるんだけど、
女性の隣は女性、男性の隣は男性となる様に気を使った配置にして頂けるので安心。
 
もちろん、同行者同士は男女関係ない。
グループの端と端同士が同性になるということ。
 
私の隣は、優しそうな初老の女性。
「よろしくお願いしますね..♪」と、笑顔で挨拶してくれた。
いい人そうで良かった。
 
この歳になっても夫婦で仲良く富士登山。
それも山小屋で若者に混ざって雑魚寝できるなんて。
とても素敵で憧れる。
私も未来の夫と、そんな老後を迎えたいな。
 
そして相棒P氏の隣は男性グループだから、なんだか騒がしそう。
どんまい..!笑
 
 
見晴館での夕食はカレー。
去年は1口しか食べなかった。
それも朦朧とした意識の中、無理やり口に詰め込まれた状態。
 
今回は、きちんと自分の力で食べることができた。
しかも完食。
それだけの事なのに、なんだかとても嬉しい。
 

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夕食の後は、少し外を散策。
陽が落ちようとしている。

 

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雲の間に少しだけ除く空。
 
明日は晴れるだろうか。
上の段の雲さえ晴れてくれれば、綺麗なご来光が見えそうなんだけど。
 
ちなみに、富士山に登ったからといって必ずご来光が見れるとは限らない。
去年は曇っていて何も見えなかった。
 
こればっかりは、自然に任せ。
 
 
20:00。
翌日のご来光に備えて早めに就寝。
 
疲れているとはいえ、こんな時間に眠くならないんだけどね。
 
さて、ここから1時間に1回のペースで目が覚める事になる。
 
何故って、やっぱり高度に身体が慣れていないから。
そして眠ると呼吸が浅くなる為、起きているより酸素の取り込み量が少なくなる。
 
辛くて起きる。
外に出て深呼吸。
これを1時間ごとに繰り返す。
 
外では、夜間登山で頂上を目指す人たちが休憩をしている。
 
上を見上げると、ヘッドライトの光が列をなして点々としている。
 
眠ると辛くなるし、いっその事このまま登ってしまおうかと本気で思ったけど、
計画外の事をする方がリスクが高いかもしれないと思い、やめる。
 
あぁ、早く朝にならないかな。
 
 

ここからは高山病に注意しながら慎重に<須走ルート本6合目→本7合目>

本6合目を出発し、運命の分かれ道7合目を目指す。
 
前回は、この7合目で高山病が発症。
そこからは今までの元気が嘘の様に体が重くなって、
意識を朦朧とさせながら登ることになった。
 
だからここからはより慎重に。
貴重な酸素をたっぷりと体に染み渡らせる様に呼吸して、一歩一歩ゆっくりと登る。
 
自分が考えるよりも、ずっとゆっくり歩くくらいで丁度いい。
 

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あぁ、まだ頂上はあんなに遠くにあるんだな。
 
だんだんと、雲と同じ目線になってきているのにね。
 
雲と雲の間から除く青が貴重で、
真っ青な快晴の日よりも、なんだか美しい色に見える。
 

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鈴の塊。
これは、富士山で遭難した登山者への慰霊の意味もあるんだとか。

 

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7合目に近づくと、緑は減って茶色が主役になってくる。
酸素の薄さといい、標高が確実に上がっているのを実感する。
 
 
そして、ついに!!
 

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17:15。
7合目、太陽館に到着!
 
ぱちぱちぱち...♪
 
いえ、まだゴールではないんだけども。
前回はこの場所で限界がきて、死にそうになりながらもう一つ上の山小屋を目指したから。
順調にここまでこれただけで、一つハードルをクリアした気持ちになる。
 
時間も順調。
前回はここですでに夕暮れの薄暗さ。
なんなら、このあと遭難したときには既に太陽に見捨てられて、
真っ暗の中山小屋の光だけを頼りに這いつくばりながら登ったので。
 
ルンルン気分で、だけど慎重な呼吸は忘れずに、
この日の最終目的地本7合目を目指す。
 
もう緑は丸い塊でしか生えない。
 

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7合目出発後まもなく、下山道と登山道の分かれ道があるから注意!
 
去年はここで同行者夫婦が下山道に行ってしまった。
下山道はふかふかの砂なので、登りに使うのはかなり辛い。
 

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山に向かって右が登山道。
まぁ、とにかく分かれ道ではちゃんと案内板を見ていれば問題ない。
 
今回は正しく右の道を進む。
ここは前回通ってないから初体験。
 
いったいどれくらいの距離間なんだろうか。
...と思ってたら、あと5分みたい。
 

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嘘っ!早っ!
 
なんだかあっけなく到着。
 

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18:13。
7合目(標高3,200m)見晴館。

前回は死に物狂いでここにたどり着いた。
到着した瞬間、同行者の女性は号泣。
私もうるっと涙ぐんだ。
 
まるでドキュメンタリー映画みたいだったね、って今でも笑い合う。
 
今回は、そんな体験が嘘だったかの様にあっけなく到着した。
 
とりあえず、前夜の夢は正夢になりましたとさ。
 
*前夜の夢の中で:
 「なんだぁ~!去年あれだけ苦労してたどり着いた本7合目だったのに、あっという間に着いちゃったよ♪」