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インド旅行はビザを取るところから始まるとか ~大阪領事館と陸路入国~

 
インド旅行はビザを取るところから始まる
 
なーんて言われているほど、取得に手間取るインドビザ。
9割の人が1度は失敗する!なんて言っている人もいる。
インドビザは世界一取得が難しい!なんて言う人も。
 
ビザを取ろうと動いたその瞬間から、既にインドとの戦いは始まっているのだ。
 
実際、私も2年半前に一度失敗をしている。
 
今回は「大阪管轄」で「長期旅行」というだけで、前回よりも悩まされたのでその記録。
 
 
①ビザの申請先が「東京管轄」か「大阪管轄」かで迷う。
 
私のパスポートには「本籍 HOKKAIDO」と書いてあり、パスポートの発行は「TOKYO」。
大阪領事館で受け付けてくれるのか!?と思ったのだけど、あくまで現在住民票がある土地で判断するみたい。
 
「大阪在住」の証明として、住民票や免許証のコピーを提出すればok。
 
 
②オンラインでの申請書作りがメンドクサイ。
 
オンライン申請ができるのではなく、あくまでも「申請書」をオンラインで作成するというもの。
数ページにわたる英語の質問に答えていき、最後に完成したPDFファイル2枚を大使館・領事館に提出する。
 
しかも、モタモタしていると時間切れで最初からやり直し。
最後に確定してからミスに気づいても最初からやり直し。
大使館・領事館に提出してミスを指摘されたら慌てて最初からやり直し。
 
厳しいーーー!
 
最初に迷ったのが、申請先の質問。
「TOKYO」or「KOBE」
 
へ!?神戸!?大阪じゃなくてっ!?
 
調べてみたら、大阪管轄の場合は「KOBE」を選択すればok。
だけど申請先は大阪の領事館。ややこしい。
 
次に、パスポートの発行地で迷う。
パスポートを取得したのは北海道で、更新したのが東京なのだけど「東京」でいいのかな?
だけどパスポートの顔写真のページには本籍(北海道)しか書いてないんだけど。
 
これは、パスポートの最後のページを見れば解決。
交付官庁:1303 と書かれている。
最初の2桁が発行都道府県で「13」は東京なんだとか。
 
知らなかった!勉強になるな~。
 
 
そんな感じで調べ調べやっていたら、時間切れでやり直し。
はぁぁ。。。
 
 
だけどその後の質問は、まぁまぁスムーズに進み完了。
前に一度やっているしね。
 
「両親はパキスタン人ですか」とか「パキスタンに行った事ありますか」とか。
「親の出生地」とか「過去10年間に訪れた国」とか。
 
インド旅行は2回目なので、前回の行程の件なんかも記入。
 
細か~い。。
 
 
③航空券を持っていない件について猛烈に悩む。
 
これが一番の悩み。
 
予定としては、ネパールに飛行機で入国。
帰国はインドからだけど、もちろん日程なんて未定。
 
どちらにしても、インドの航空券は往復共に持っていない。
 
しかも航空券の提出が必要になったのが2015年6月からの様で、先人たちの体験談のサンプルが少なすぎる。
 
方法は大まかに2つ。
 
1つめは、ダミーの航空券を発行する。
 
2つめは、陸路出入国をする事にして、英文日程表を作る。
 
ダミーの航空券を入手できればそれが一番確実なのだけど、イマイチ良い航空会社を発見できず。
どこも予約時に入金が必要だったり、未入金で予約できても英語の予約確認書面がなかったり。
 
という事で、英文日程表を作成することにした。
体験談を一つだけ発見したので、ありがたく参考にさせて頂く。
 
ネパールから陸路でインド入国、陸路でバングラデシュへ出国という事にした。
 
だけど、5ヵ月にも及ぶ日程表。
本当にこんなに細かいスケジュールが決まっているのか!?と突っ込まれたらどうしよう。
かといって、適当に1ヵ月くらいで作成して、1ヵ月分のビザしか発行されなかったら嫌だ。
(5ヵ月も滞在しないと思うけど、念の為MAXの6ヵ月ビザが欲しい)
 
念の為、最初の滞在予定地のホテル予約確認書を入手する。
英文日程表では、最初は「バラナシに17泊」としているのでホテルサイトでその通りに予約。
英語の予約確認書を印刷したら、即キャンセル。(ゴメンナサイ)
 
本当にこれでいいのか不安すぎるけど、今できる最大限の備えはこれしかない。
 
 
④写真の背景が青い問題!泣
 
インドビザの写真は「5㎝×5㎝」「背景は白」。
 
えぇ!?
私が用意した写真の背景、青なんですけど。。。
 
はい、やり直し。
 
しかも「5㎝×5㎝」なんて変なサイズの写真、余っても使い道なんてなさそうだ。
 
 
⑤ついにインド領事館へ!
 
・オンラインで作成した申請書(2枚)
・背景が白!の写真
・手書きの英文日程表
・ホテルの予約確認書
・過去に取得したインドビザと出入国スタンプのページのコピー
・有効なパスポート(もし過去のパスポートにインドビザがある場合は、そのパスポートも必要)
・現住所が確認できる身分証(免許証など)
 
これらを持って、いざインド領事館へ。
 
受付は9:30~11:30。
 
大抵の人はそこでやり直しを命じられて、慌てて近くのネットカフェなどで作り直すそうな。
11:30までに全てを終えなければいけないから、時間との闘い。
 
やり直す気満々で、ノートPCを持って9:45分に到着する。
 
 
ものすごく混んでいる。
混沌とした世界が広がっていて、スパイスの匂いこそしないものの、そこは既にインドだ。
書類の不備を指摘された日本人とインド人スタッフの間で、バトルが繰り広げられている。
もう、とにかくカオス!既にインド旅行は始まっているのだー!
 
 
そんな数々のエピソードを聞いたことがあるので、若干楽しみにしていたのだけど、普通に静かなオフィスだった。笑
 
私の整理券番号は4番。既に3名の日本人。(少なっ!)
 
10分ほどで呼ばれる。
 
書類を提出。
ペラペラとめくるインド人。
 
「航空券はっ!?」
 
(キター!)
 
答えるより早く、
「んんっ!?何これ??」
 
それは自作の英文日程表。
 
「あ、陸路入国なので、にって・・・」
(遮って)「保険証か免許証出してっ!!!」     
 
「はい」
 
(えぇ!?航空券持ってない件は、もうどうでもいいのか??笑)
 
とにかく、航空券の件も日程表の件もそれ以上は触れられず、また座って待つ。
 
待つこと20分。
 
私の前の女性が呼ばれる。
「ビザ代1550円ね!え!?お釣りはないよ」
「クミさーん!(実際は苗字)」
 
(呼ばれた!あ、でも両替頼まれるだけかもっ??)
 
「ビザ代1550円ね!」
(やったー!)
 
私もぴったりの金額は持っていなかったので、お金を崩しにコンビニへ。
前の女性は、「お釣りないってあり得なくないですかっ!?」と驚いている。
 
いいんです、いいんです。
ビザくれるなら、お金崩す手間くらいお安い御用です。
 
勝率50パーセントくらいの気持ちで挑んでいた私は、無事に受理された事で喜びに満ち溢れていた。
 
小銭を入手して無事に払い終わると、引換証をわたされる。
この日以降に受け取りに来てくださいねと書かれた日付は、3営業日後。
 
やったー♪
 
気張って挑んだビザ申請は、コンビニへ外出した時間も合わせて40分程度で終了。
 
 
⑥ビザの受け取りは日本の祝日!
 
日本の祝日でも、インドは平日だから開いてますよ
...と言われていたので、信じて予定の時間に訪問。
 
すると、日本は祝日だからか、ビルのシャッターが閉まっている。
 
えーーー!!!
 
どこか別の入り口はないものかと思って、ウロウロしてみる。
すると、左手の駐車場の入り口付近に、なんとインターホンがあった。
 
部屋番号を押してみたら、「はーい、どうぞー!」と言われてオートロックが解除された。
 
よかった。
 
そして、無事にビザの張られてたパスポートが返却される。
 
前回「TOURIST」と記載されていた場所が、今回は「T-1」となっているのが気になるんだけど...。
 
うん、でも正真正銘のインドビザだし。マルチプルって書いてあるし。
 
 
散々悩みながら申請したインドビザだけど、意外にすんなりと取得完了。
 
 
インドビザがスムーズに取れた人は、その後のインド旅行もスムーズに進む。
インドビザに苦戦した人は、その後のインド旅行でも何故かトラブルばかりに見舞われる。
 
 
なんていう逸話もある。
 
とりあえず、一安心。
 
 
 

プロローグ ~インドに呼ばれる~

 
「来年、3/10発の船で出発しよう!」
 
そう決めたのが今年の春。つい先月まではその予定だった。
3/10の船で出発して、世界周遊の旅に出よう。
記念すべき第1ヵ国目は、真冬のシベリア
 
2月末まで働いて、3月に出発する予定だったのに。
ひょんな事情から、約7年間暮らした東京を離れて大阪に来たのがお盆明け。
 
東京だって、生まれ育った土地じゃない。
東京も大阪も、異郷である事には変わりがないのだし、どちらで暮らすのも同じ事。
むしろ、長い人生のたった数年の大阪暮らし、よい経験になるじゃないか。
 
そんな、軽い気持ちでここ大阪へ来てしまった。
ここで半年間働いて、予定通り3月に出発しよう。
 
有給消化期間が終わり、晴れて無職となって3日目。
 
急に、本当に突然に、ふっと思い立った。
 
「インドに行くべきは″今"な気がする。」
 
インドへは、いずれ行こうと思っていた。
その「いずれ」が「今」なんじゃないかと。
 
そう思い始めたら、もうその方がいいような気がして仕方がなくて。
 
もし今インドへ行ったら、世界一周旅行の準備は間に合わないから延期しなきゃいけない。
もし今インドへ行ったら、準備不足すぎてたくさんトラブルに合うかもしれない。十分に楽しめないかもしれない。
もし今インドへ行ったら、親はますます呆れるだろうな。
もし今インドへ行ったら、、、、
 
インドへ行かない理由はたくさんある。
インドへ行った方がいい理由なんて、特にない。
 
それでも....。
 
 
人には、二種類の人間がいるらしい。
インドに行くことができる人間と、生涯行くことができない人間。
 
インドは「呼ばれる国」とも言われている。
インド側からお呼びがかからない限り、行くことができない。
またその呼ばれる時期も、カルマによって決められている。
インドとは、そういう国なのだと。
 
 
私は今インドに呼ばれているのではないだろうかと、
勝手なストーカー心理でインドへの想いを募らせる。
 
大丈夫。私の片思いだった場合は、インドにはじかれるから。
 
インドに呼ばれていない人は、どんなに望んでも入国する事ができないと聞いたことがある。
ビザが取れない、飛行機が飛ばないなどの弊害に阻まれて、何故か決して入る事ができないのだとか。
 
 
うん。行こう。インドへ。
 
 
 
ごめんなさい。
 
 

そして下山。富士登山完遂!<8合5尺→麓>

私の体調不良にようやく気づいた相棒が荷物を持ってくれる事になったので、
なんとか休み休み下山を決行する事ができた。
 
そして、富士山7合目までたどり着いた頃には、すっかり体調もよくなって来た。
 
ここまでくると、気温の低さよりも太陽の日差しの方が気になってくる。
預けていた荷物を受け取り、着ていたダウンを脱ぐ。
 
そして、ここからは登山道と交わることもなく、
下山道のふかふかの砂の上を小走りで駆け下りる。
 
(砂払い5合目まで山小屋がないので注意!)
 
...とは言っても、斜面を走り降りるなんて怖いし、砂には石や岩も混ざっている。
ものすごいスピードで駆け下りていく人もたまにいるけど、「ちょっと早歩き」程度に留める。
 
まぁ、転んでもさほど痛くはないけどね。
 
すると今度は、高山には強いけど日差しに弱い相棒が体調不良を訴える。
 
私はとっくに元気だから、病人交代。
 
水を与えつつ、帽子を深くかぶらせて休憩を取りつつ、なんとか砂払い5合目まで到着!
 
ここまで来れば、あとは森林帯の中を下るだけなので涼しくて快適。
 
もうほぼゴールした気分で休憩。
私は冷たいコーラを飲み、相棒はパンを食べる。
 
人懐っこい犬がじゃれてくる。
 
山頂は、もう見えない。
 
ここからは見えないくらい遠い、雲の上の世界に行ってきたんだなぁ。
 
そして、森林帯の中を歩く。
途中で登山道と合流し、登山者とすれ違う。
 
メイクばっちりの女性。
 
ここから先は、メイクなんて気にしてられない世界になるよ!
...と心の中でつぶやく。
 
とにかく無事に楽しんできてね。
 
とりあえず、私たちの旅路はここで終わり。
 
5合目に付くと、丁度バスの時間だったのですぐに乗り込む。
 
バスに乗って30分程でたどり着いた下界は、びっくりする程の猛暑だった。
さっきまでダウンを来ていたのが信じられない。
 
急いで服を脱ぎ捨て、Tシャツ一枚になる。
 
砂の中を通って来たから、顔も砂だらけ、髪はパサパサ。
 
とりあえず、お疲れさま!私たち!
 

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下山時も油断大敵!富士山の山肌にお供え物...。<富士山山頂→8合5尺>

富士山を下山。
ここからは、砂煙が舞うルート。
煙を吸わない様にマスクを付け、靴に砂が入らないようにスパッツを付ける。
 
なんだか、マスクを付けた事によって苦しさが増した様だ。
早く降りなくちゃ。
 
下山を開始すると、8合5尺の山小屋まであと少しというところで、
苦しさに耐えきれなくなる。
 
高山病には最新の注意を払っていたけれど、
「無事に山頂にたどり着いたっ!」..という気持ちから油断をしていたかもしれない。
 
しまった。
酸素が足りません。。
 
立ち止まって、ぼぉーっと少し下の山小屋を見つめる。
もう少し歩けば山小屋。
だけど、その少しが歩けない。
 
思わずしゃがみこんだ。
 
すると、通りすがりの男性が声をかけてきた。
「大丈夫ですか?」
「荷物、代わりに持ちましょうか?」
 
優しい....
だけど、こんなところで人様に迷惑をかけるわけにはいかない。
 
「大丈夫です...」
と声を絞り出して答え、立ち上がって歩き出す。
 
だけど、その無理がたたった。
ほんの数歩で倒れこむようにしゃがみ、そして...。
 
朝食べた朝食と、先ほど山頂で食べた豚汁。
不本意ながらも、全て富士山にお供えをする羽目になった。

すると、先ほど心配して声をかけてくれた男性が、
未開封のお水1本と、まだたっぷりと入っているウェットティッシュを恵んでくださった。
 
あぁ、神様の様な男性。
 
それに引き換え、私の相棒は何をしていたかというと、
下から見上げてニヤニヤしていただけ。
(さっさと私を置いて次の山小屋に到着していた)
 
ようやく異変に気づいて登ってきてくれて、助けてくれた男性にお礼をいう。
 
そして、私を気遣う前に何をしたかというと、、、
 
!!!!!!
 
私のお供え物の写真を撮っているではないか!
 
あぁ、見ず知らずの男性はあんなに親切にしてくださったというのに。
 
そして、通りかかる人たちがざわざわとしているのが遠目に聞こえる。
 
「あの子大丈夫!?めっちゃ吐いてるんだけど!!」
 
もう苦しすぎて、周りの目なんか気にならないけどね。
 
最終的には優しい私の相棒は、そこから私の荷物を持ってくれる事になったとさ。
 
 
 
 

日本一高い山、「富士山」の山頂にて。

ようやくたどり着いた、富士山山頂。
 
そこは、不思議な世界だった。
 
日本一高い山、富士山。
さぞかし神秘的で、幻想的なせかいなんだろう。
そこから見える景色は、その達成感とも相まって、息を飲むほど美しいんだろう。

 

そんな風に思っていたのだけれど。
 
鳥居をくぐって目に入ったのは、お土産屋さんのワゴンの数々。
「ここでしか買えないよ~♪」と、呼び込みのお兄さん。
 
食堂では、人々が賑やかに食事を楽しんでいる。
 
須走ルートでは決して見る事のなかった観光色。
 
力尽きて横になっている人々をみると、
あぁ、そうは言ってもここは富士山山頂なんだなと、実感できる。
 
そんな少し不思議な、異色の世界。
 
私はというと、達成感を感じたのは鳥居をくぐった瞬間だけ。
 
あとはもう、疲労と息苦しさで、早く下山したい気持ちばかり顔を見せる。
 
一応、温かい食事など取ってみたりしたけどね。
 
本当は、日本一高い山富士山の、さらに最高峰「剣ヶ峰」に行きたかったんだけど。
火口付近まで歩いて行ったところで、急に具合が悪くなる。
 

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富士山の火口をぐるりと一周するお鉢巡りは、1時間半~2時間ほど。
吉田ルート、須走ルートの終点から剣ヶ峰までは、ちょうど1周の半分くらいの距離。
しかも剣ヶ峰の直前には、馬の背といわれる急斜面がある。
 
これは、1周まわっている途中で耐え切れなくなったらどうしようもないな。
富士山の火口は見れたしな。
 
...という事で、あっさり下山を決意。
 
到着時の達成感はあるけど、やっぱりご来光の感動が一番のピークだったかな。
毎年、本7合目まで行ってご来光を見て帰るというプランもいいかもしれない。
 
なーんて。
 
 
 
 

いよいよ富士山山頂へ向かうとき<須走ルート:本7合目→頂上>

朝6:00。
本7合目から、先の道を眺める。
 

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前回はここから上には行けなかった。
大げさではなく、命の危険を感じたから。
これ以上先に進むことに、身体が赤信号を出した。
 
この先は、未知の世界。
 
あの時はあんなに危険に見えたこの道が、
なんでもない様に見えるから不思議。
 
岩だらけの世界。
 
雲が白い。
空が青い。
 
次の山小屋も、その次の山小屋も見える。
山頂も見える。
道の線も見える。
 

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6:30。
8合目、下江戸屋に到着。
 
一息ついたら、また次を目指す。
 

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次の山小屋がすぐそこに見えるけれど、
標高が高すぎて、一歩一歩どころか半歩半歩ゆっくり進むのが精一杯。
 
 
7:00。
本8合目。
ここから吉田ルートと合流。
山小屋が複数ある。
 
風が強い。
 
次のお客さんが来る前に、
毎日こうやって屋根に布団を干しているんだね。
 

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7:35。
8号5尺、御来光館に到着。
 
もう、朝出発した山小屋は見えない。

雲が厚い。
 
植物は一切育たない環境。
赤茶けた世界。
 

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あと少しなのか、まだまだなのか。

 

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この標高に対して、この距離表示は無意味。

 

一歩の重さが、下界とはまるで違うから。

 

広がる雲が美しいけれど、
雲が一切ない景色はどんな感じなんだろう。
 

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もうそろそろかと思う頃、鳥居にたどり着く。
 

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だけどこれはトラップで、まだまだ先はあんなに長い。
 

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吉田ルートと合流しているから、登山者数は増えているはずなんだけど。
 
人々は意外にもまばら。
 
あちこちで、ダウンして座り込んでいる人がいる。
 
行き倒れているのか、寝ているのか。
所々で人が横たわっている。
 
その脇を通り抜け、亀の様にのろのろと進む。
 
あと少しなんだと思う。
そう思いたい。

 

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ようやく!
ここを抜けるとゴール!
 
だけどテンションを上げる元気はない。
 
気持ちとは裏腹に、のろのろと鳥居を抜ける。
 

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9:25。
富士山山頂、到着っ!!!

 

 

富士山ご来光<須走ルート:本7合目>

朝4:40。
既にほんのり紅く色付く空を、静かに人々が見守る。
 

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眼下には雲が広がっていて、前日にあった上方の雲は晴れていた。
 
朝5:00。
 
真っすぐと広がる雲海の真ん中に、ポツリともっこりした雲が浮かんでいる。
 

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丁度そこの雲のある場所が、明るく光りだす。

 

え...!

雲の淵が黄金に輝きだす。

 

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...と思っていたら、ちょっと外れて横から覗きだす火の玉。
 

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静かに見守っていた人々からも、歓声の声が漏れる。

おぉ~!!
 

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陽の光に照らされて、雲の形が鮮明に見えてくる。
ただただ真っすぐな雲海だと思っていたけれど、ちゃんと表情があったんだ。
 
 
紅い世界から、完全に朝になった頃、人々は山小屋へと帰って行った。
 
だけど何人かは、明るくなった世界に見とれ続けている。
 
きっと車やロープウェイで簡単にこの景色をみる事ができたら、
また感想は違うんだと思う。
 
辛い思いをしながらここまで来て、
高山の辛い夜を過ごしてようやくきた朝だからこそ、
 
昨年の無念を抱えて、1年越しに見る事ができた景色だからこそ、
 
感じる気持ちがあるんだろうな。
 
そして、これから何度同じルートで富士山に登ったとしても、
この景色は二度とみれないんだ。
 
当たり前だけど。
 
自然は、一度見たら二度と同じ顔を見せない。
 
だからこそ、辛い思いをしながらも、何度も来てしまう人がいるのかもしれない。
 

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景色に見とれていたら、いつの間にか朝食が最後になってしまった。
 
もう早々と出発してしまった人が沢山いる。
 
よしっ!
朝食を食べたら、出発だっ!